美しく響きの豊かな音を出せない原因のひとつとして「口腔および喉頭が狭い」という問題があります。声楽においては、口腔および喉頭を狭くするということは最も避けなければいけない発声方法とされています。つまり地声で歌うことになるからです。
「口腔および喉頭が狭い」という問題については、これだけで1冊の本が書けてしまう位、専門的な分野ですので、誤解をさけるためにも、ここではあまり深くは掘り下げませんが、金管楽器を吹く上で口腔、喉頭を意識することは非常に重要なことでありながら、口腔、喉頭をしっかり意識している奏者は少ないように思います。 確実に言えることは、「地声で吹かない」ということです。「地声で歌わない」ならともかく、「地声で吹かない」というアドバイスは少しおかしな表現ではありますが、要するに合唱で歌う時の喉の状態で楽器を吹くということです。普段会話する時の「地声」の発声方法と合唱で歌う時の発声方法は、誰でも少なからず喉の状態を変えているはずで、声を音楽的に響かせようとすれば必ず口腔、喉頭をゆったりと広げて発声していると思います。 合唱の発声方法の喉の状態、更にはオペラ歌手のように大ホールに声を響き渡らせるようなイメージを持ってトロンボーンを吹くようにすれば、必ず美しく響きの豊かな音色に変わるはずです。 2011年6月21日 |