トロンボーンの個人レッスンでは、何らかの奏法的問題を抱えている人に与えるアドバイスとして「唇に頼り過ぎないこと」「唇を閉じ過ぎないこと」「息のスピードをコントロールすること」「舌の発音を上手く活用すること」等々、言葉による説明を行うわけですが、いざ自分自身が普段演奏している身体の状態を考察してみると、実際には到底言葉では説明し尽くせないほどの複雑なことを身体が行っているということに気付きます。もちろん、唇の操作だけにとらわれてもいないし、息のコントロールも行っているし、舌の発音も活用しているわけですが、やはり決して単純な行為ではなく、本当に数えきれないほどの身体の機能が複雑に絡み合い、連携した上でトロンボーンをきちんとコントロールするための制御が成されているのだと思います。到底言葉では説明できるものではない。
だから、レッスンを受ける方は言葉によるアドバイスよりも僕がお手本として目の前で吹いている音、姿を真似てもらうということが最も効果的なレッスンなのだと思います。 2011年8月28日 |